ディスカッションペーパーシリーズ(日本語版) 2011-J-14

国際流動性に関する財政的側面について

モーリス・オブストフェルド

 グローバルな流動性供給を拡充するためのあらゆるスキームは、財政的な支援と国際社会の協調を必要とする。危機に陥った国家や金融機関に対する貸出は、そのクレジットリスクが誰かによって負担されなければならないことを意味している。IMFの強化をはじめ、国際的な貸出機能が拡張されたことによって、財政的な後ろ盾についても相応の拡充が求められている。本稿のこの指摘は、合同保証による「ユーロ圏・ソブリン債」構想を含め、ユーロ圏内のソブリン危機への対応にも当てはまる。また、特別引出権(SDR)が今後、特別な役割を果たせるかどうかという論点も、財源の強化や国家間での負担の調整の成否に依存している。

キーワード:国際流動性、ソブリン債務、ユーロ圏危機、財政連合、国際通貨基金(IMF)、特別引出権


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