ディスカッションペーパーシリーズ(日本語版) 2010-J-5

ファイナンス・ワークショップ「金融危機後の金融工学の展開」の模様

 日本銀行金融研究所は、2009年12月22日に「金融危機後の金融工学の展開」をテーマとした研究ワークショップを開催した。
 米国のサブプライム住宅ローン問題に端を発した今次金融危機の経験は、実体経済や政策運営の面だけでなく、学術研究の領域にもさまざまな課題を投げかけた。特に、ファイナンス研究の分野は金融危機との関連が深かっただけに、学術的視点と実務的視点の双方から今後の方向性を検討する意義が大きいと考えられる。本ワークショップは、こうした問題意識のもと、金融の実務家と研究者が意見交換を行うことを目的として開催された。
 本ワークショップは2つのセッションで構成された。第1セッションでは、信用リスクの計量、株式市場の分析、資産価格変動の相互依存関係という観点から、金融危機の経験を踏まえた3つの研究報告とそれらに基づく討議が行われた。第2セッションでは、「金融危機後の金融工学の展開」をテーマとしたパネル討論が行われ、3人のパネリストによる導入報告に続き、参加者による自由討議が行われた。パネル討論では、金融工学のこれまでの貢献や今後の課題についてさまざまな意見が呈示され、最後に、座長によりワークショップ全体が総括された。

キーワード:金融工学、金融危機、リスク管理、市場分析、証券化商品


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