ディスカッションペーパーシリーズ(日本語版) 2010-J-3

企業会計上の資本概念の再構築に向けた一考察——関連領域における資本概念を踏まえた試論——

福島 隆、吉岡 佐和

 本稿は、企業会計に加え、非営利組織の会計、会社法、コーポレート・ファイナンスおよび銀行規制等(関連領域)における資本の捉え方について整理したうえで、企業会計固有の目的を達成しつつ、関連領域からの要請も可能な限り満たすような資本概念を構築できないかを検討するものである。具体的には、まず、企業会計および関連領域における資本の捉え方について、資本の意義・機能、資本と負債の違い、基本的所有アプローチとの親和性という3つの観点から整理している。そのうえで、関連領域において捉えられている資本の基本特性のうち、企業会計においても資本の基本特性として意識されていると考えられる点を抽出する。そして、企業会計の目的として重視されるようになってきた投資意思決定目的を満たし、さらには関連領域における資本の考え方をも満たし得るものとして、「永続的なリスク負担者」という観点から企業会計上の資本概念を構築することができないかを検討する。その結果、「永続的なリスク負担者」という観点から企業会計上の資本概念を構築することにはメリットもあるが、取り組まなくてはならない課題もあることを明らかにしている。

キーワード:資本の意義・機能、資本の基本特性、投資意思決定目的、最終的なリスク負担者、永続的なリスク負担者


掲載論文等の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融研究所の公式見解を示すものではありません。

Copyright © 2010 Bank of Japan All Rights Reserved. 注意事項

ホーム