ディスカッションペーパーシリーズ(日本語版) 2009-J-19

企業会計の観点からみた資本の意義・機能—先行研究のレビューと今日的インプリケーション—

福島 隆、山田 康裕

 現在、国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)が進めているような金融商品の負債と資本の区分に関する議論の方向性を評価するに当たっては、企業会計上の資本の意義・機能をどう捉えるかに立ち返って検討することが必要であり、その前提として、企業会計上、資本に関連してこれまでどのような議論がなされてきたかを改めて整理することは有用であろう。本稿は、こうした問題意識から、企業会計における「資本」に関連する論点を幅広く洗い出し、日本の研究を中心に各論点の先行研究をレビューしたうえで、それらの議論の今日的インプリケーションを検討するものである。具体的には、大きく「資本」そのものに着目する論点として、資本の概念・定義、資本の認識・認識中止、資本の再評価(事後測定)、資本の部の表示についての議論を、また、「資本」と「何か」との関係に着目する論点として、物価変動と資本、資本と利益の区別、資本と負債の区別、会計主体と資本についての議論を取り上げている。そのうえで、こうした問題を整理・検討するうえでは、会計の目的(または機能)と会計理論との関係を明らかにすることが重要であり、その点について検討すべき課題が多く残されていることを指摘している。

キーワード:資本会計、負債と資本、資本と利益、会計主体論、資本維持概念


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