ディスカッションペーパーシリーズ(日本語版) 2005-J-9

再建型倒産手続に関する一考察
—「法と経済学」の視点から—

山本 慶子

 本稿の目的は、「法と経済学」の視点からの倒産手続の分析(「倒産手続の法と経済学」)を踏まえて、わが国の再建型倒産手続(会社更生・民事再生手続)について若干の考察を試みることにある。
 本稿では、米国における「倒産手続の法と経済学」の研究の蓄積から、(1)「倒産手続は債権者間の仮定的な合意を制度化したものである」という視点(債権者間の仮定的契約としての倒産法)と、(2)「企業の再建は、企業のゴーイング・コンサーン・バリューが清算価値を上回る場合に肯定される」という視点(再建型倒産手続の存在意義)を抽出し、わが国の再建型倒産手続が、これらを満たす「効率的な倒産処理の選択」を実現し得るものかについて検討を試みている。再建型倒産手続のあり方を考える上では、企業価値の評価の問題が重要な課題の1つとなっていることから、「倒産手続の法と経済学」の視点からの倒産企業の企業価値の評価を巡る議論を整理した上で、わが国の現行の再建型倒産手続における企業価値および担保目的物の評価基準の当否につき検討を行っている。

キーワード:倒産手続の法と経済学、会社更生法、民事再生法、財産評定制度、更生担保権


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