インターネットが広範に普及する中、電子商取引(エレクトロニックコマース)の実現に向けて、世界各国で様々な取り組みが進められている。とりわけ、お金の情報を電子化し、オープンなネットワークの中でも利用可能とするような「電子マネー」は、電子商取引実現のための基幹技術として、実用化に向けた研究・実験が一段と活発化してきている。
本論文では、電子マネーが安価で信頼性の高い新たな金融サービスとなるために求められる要求条件を「安全性」、「電子マネー特有の利便性」、「現金のメリットの継承」の3つの観点から考察する。次に、この要求条件を満足する電子マネーを実現するための設計方針を明らかにし、新たに考案したアイデアを加えた新しい電子マネー実現方式についてのプロトコル概要等を提示する。
JEL classification: E49
* 日本銀行金融研究所研究第2課(E-mail:
nakayama@imes. boj.go.jp )
** 日本電信電話(株)情報通信研究所(E-mail:
hidemi@sucaba.isl.ntt.co.jp, abe@isl.ntt.co.jp , fujisaki@sucaba.isl.ntt.co.jp
)
備考: 日本銀行金融研究所ディスカッション・ペーパー・シリーズは、金融研究所スタッフおよび外部研究者による研究成果をとりまとめたもので、学界、研究機関等、関連する方々から幅広くコメントを頂戴することを意図している。ただし、論文の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融研究所の公式見解を示すものではない。 なお、本論文を作成するに当たっては、松本 勉 助教授(横浜国立大学)から有益なコメントを頂戴した。