金融研究第16巻第2号(1997年6月発行)
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電子マネーの私法的側面に関する一考察
――「電子マネーに関する勉強会」報告書――

 本稿は、第一線の法学者(内田貴、神田秀樹、道垣内正人、森田宏樹、藤田友敬)と日本銀行のスタッフが参加した「電子マネーに関する勉強会」の報告書である。本報告書では、現在さまざまな意味において注目を集めている電子マネーについて、その私法的側面を中心に検討がなされている。
 電子マネーの法的側面については、現在、多くの検討すべき問題点が指摘されているが、こうした問題を検討するに当たっては、そもそも「法的にみて、電子マネーとは何か」という問題を検討の出発点とする必要があるように思われる。
 このような問題意識から、本報告書においては、まず、電子マネーの仕組みや特徴を概観した上で、「電子マネーとは何か」という問いに答えるべく、電子マネーの法律構成についての1つの試論を提起している。この試論においては、民法の金銭債権に関する規定を手掛かりとして、プリペイドカードやクレジットカード等の様々な支払手段を分析する上での検討の枠組みとなりうる「私法上の金銭の一般理論」を構築した上で、電子マネーの法律構成につきその枠組みを用いて検討を行っている。そして、こうした検討を基に、電子マネーをめぐる幾つかの具体的な法的問題についての若干の検討を加えている。
 なお、本報告には、電子マネー自体に関する検討に加え、プリペイトカード等の既存の支払い手段に関して勉強会でなされた議論についても、あわせて収録している。


本稿で示されている意見は、日本銀行あるいは金融研究所の公式見解を示すものではありません。

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