日本銀行金融研究所貨幣博物館
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FAQ

Q8.江戸時代の貨幣改鋳の目的は何ですか?

A8.江戸時代は全期間を通じ度々貨幣の改鋳が行われ、金の含有量や重さの異なる小判や丁銀が発行されました。正徳・享保の改鋳を除き、それ以前に発行された貨幣よりも金の含有量や重量を落とす改悪が行われました。改鋳の主な目的は、貨幣の発行増に伴う発行差益の獲得(幕府財政の窮乏の打開)、経済の発達に伴う貨幣需要の増大や原材料の不足への対応などでした。改鋳の結果、物価の騰貴をもたらし、庶民の生活は困窮しました。

 なお、正徳・享保の改鋳では、元禄・宝永の改鋳がもたらした物価の騰貴などを是正するため、慶長金銀と同じ金・銀の含有量に戻しましたが、貨幣流通量が減少し、物価の下落や経済の停滞を招きました。これを受けて、元文の改鋳では、金・銀の含有量を減少させることによって、貨幣量の適正化をめざし、その後、経済・物価は80年にわたり安定しました。