貨幣博物館 常設展示図録
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43金貨の純度(品位)を鑑定する際には、金貨を試金石に擦りつけ、その条痕(筋状の痕)を試金棒の条痕と比較した。金属貨幣の素材である金銀や銅は、鉱山から鉱石を掘り出し(採掘)、その鉱石から金属成分のみを取り出す製錬の工程を経て、貨幣の材料となった。金貨・銀貨の品質を保証するために極印が打たれた。金座後藤家を表す「扇形に桐」の紋「光次」と花押金座後藤家を表す「扇形に桐」の紋「金座絵巻」「金座絵巻」極印打ちの様子金を小判の形に整えた後、極印が打たれた。「壱両」扇形に桐金貨の製造にあたった後藤家は、桐紋、花押、額面などの極印を打った。丸に文裏製造時期を示す「文」の印光次の花押金座人の印職人の棟梁の印ゆるやかなお金の統一 「佐州金銀採製全図」試金石・試金棒で金の品位をはかる様子役人や測量技術者らが鉱石のある場所(鉱脈)を探している。鉱脈にそって鉱石を掘り進めると湧き水が出てくるため、排水が必要となる。試金石元文小判極印試金棒品位をはかる極印による貨幣の品質保証金属の採掘と製錬

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