貨幣博物館 常設展示図録
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「円」とにちぎん 8711金融恐慌Financial Crisis銀行取付けと日銀の緊急貸出Mass Bank Runs and Emergency Loans by the Bank of Japan一次世界大戦後の不況により企業や銀行の経営が不安定となり、1927(昭和2)年の金融恐慌では、銀行に預金していた人たちが不安を感じて窓口に殺到した(銀行取付け)。日本銀行は市中銀行に緊急の貸出を行い、預金者の不安を鎮めるよう努めた。第金融恐慌と日本銀行券第一次世界大戦の頃のお金memo大戦景気と日本銀行券第一次世界大戦中の好景気により銀行券の中で特に十円券の発行が増加したため、日本銀行は、十円券と百円券の間の額面である二十円券を新たに発行した。政府によって発行されたお金小口の支払いのための小銭の需要が増加するなか、小額貨幣の材料として使われてきた銀が値上がりして額面を上回るようになり、銀貨は鋳つぶされた。政府は、小額面の政府紙幣を発行したり、金属貨幣の小型化や材料の変更などを行った。甲二十円券1917年金融恐慌時に発行された 「裏白紙幣」乙二百円券200 Yen Bank of Japan Note (Single-Sided Printing)裏表小額政府紙幣 十銭紙幣1917年小額政府紙幣 二十銭紙幣1917年五十銭銀貨1922年一銭青銅貨1916年十銭白銅貨1920年1927年の銀行取付けでは、預金を引き出して日本銀行券を求める人々が市中銀行の窓口に殺到し、日本銀行券の発行額は1ヶ月足らずの間に約2倍に増えた。大量の紙幣が急遽必要になったため裏面の印刷を省いた日本銀行券が発行された。新しい日本銀行券二百円券を報じる記事An Article Reporting the Issuance of a New 200 Yen Bank of Japan Note国立国会図書館蔵銀行に押し寄せる人々

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