貨幣博物館 常設展示図録
79/101

 近代766広がる民間銀行近代的な銀行制度の始まりPrivate Banks Flourish国立銀行の広がりThe Spread of the National Banks外貿易や国内産業の振興を金融面で支えるため、欧米をモデルにした民間銀行が各地に設立された。このうち、国立銀行はアメリカのナショナル・バンクをモデルとする銀行で、紙幣の発行が認められた。海当初、国立銀行の発行する紙幣には金貨との兌換が義務づけられたため、4行しか設立されなかったが、1876年の法令改正により金貨との兌換が不要となり、あわせて153行が設立された。国立銀行の設立と紙幣の発行国立銀行紙幣(旧) 十円10 Yen Japanese National Bank Note(Old Type)1873年1872年の国立銀行条例に基づき発行された国立銀行紙幣の表面には兌換文言が記され、裏面には各額面の金貨が描かれている。発行されるとすぐに兌換されることが多く、あまり流通しなかった。アメリカ ナショナル・バンク紙幣 10ドル10 Dollars United States National Bank Note1864年ナショナル・バンクとは国の法律に基づき民間で設立される銀行という意味で、国法銀行というべきであったが、当時「国立銀行」と訳された。国立銀行紙幣(新) 五円5 Yen Japanese National Bank Note(New Type)1878年国立銀行紙幣(新) 一円1 Yen Japanese National Bank Note(New Type)1877年五円紙幣の表面には工場の煙突と鍛冶屋、一円紙幣の表面には船の舵を握る水兵が描かれている。これは、工業立国(殖産興業)と海外進出を目指す政府の方針を表しているとされる。裏裏初期の国立銀行紙幣はアメリカの印刷会社に委託してつくられたため、規格・デザイン・色などがアメリカのナショナル・バンク紙幣に似ていた。

元のページ  ../index.html#79

このブックを見る