貨幣博物館 常設展示図録
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topic 近世50枝えだ銭せんからわかる銭貨のつくりかたThe Money Tree: How to Make Coins銭貨は、溶かした金属を鋳型に流し込む鋳造によってつくられた。鋳型から取り出したばかりの銭貨は、木の枝に葉や実がついたようにみえることから「枝銭」とよばれた。枝から銭貨を切り離して磨くことで銭貨として完成した。銭貨ができるまで江戸幕府は、寛永通宝などの銭貨をつくるため、さまざまな技術者を集め、全国に銭座をつくった。江戸時代の銭座の様子を描いた絵巻から、銭貨のつくり方がわかる。銭貨のつくり方は、古代から基本的に変わらなかった。砂の上に種銭と溶かした金属を流す道をつくるための湯道棒を並べる。冷却後、鋳型から枝銭を取り出す。溶かした金属を流すための道をつくる。文久永宝 枝銭19世紀鋳型から取り出した銭貨は、銅の流れた道(湯道)でつながっている。127中央の穴をヤスリで四角く整える。9表裏の鋳型を重ねて踏み固め、種銭などの形を写し取る。枝銭から切り離した銭貨の側面の はみ出した金属をヤスリで削り取る。8銭貨の仕上げ3銭貨の側面を研いだ砥石17~19世紀銭貨をまとめて四角い棒に通し、砥石で研いだ。その痕が半円のくぼみとなっている。金のなる木「金のなる木」は木の枝に金が実るという想像上の樹木で、江戸時代にはこうした絵が多く描かれた。幹や枝にはさまざまな教訓が書かれている。以下「鋳銭図解」より

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