貨幣博物館 常設展示図録
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ゆるやかなお金の統一 37両替屋の信用Credibility of the Moneychangers替屋(両替商)は、貨幣の両替を行うとともに、顧客から預金を受け入れ、遠隔地間で資金のやりとりをする際に現金輸送に代えて為替を取り組んだ。各藩や商人に対する貸出などの金融サービスを提供し、江戸時代の活発な商品流通を支えた。両6両替屋の金融力Financial Power of the Moneychangers両替屋の信用に基づき、紙に書かれた書類(手形など)のやりとりや帳簿上の取引により、金属の貨幣を使わなくても商品の売買や資金の貸し借りができるようになっていった。両替屋が関わったさまざまな取引[藩札の発行と両替屋]The Issuance of Clan Notes and Moneychangers両替屋の中には、大名など領主の御用商人として、年貢米や専売品の流通に関わる者もいた。必要に応じて領主への貸出を行い、藩札の発行を請け負うこともあった。[包金銀に信用を与えた両替屋]Packages of Gold and Silver Coins Authorized by Moneychangers 金座・銀座や両替屋が一定量の金貨・銀貨を和紙で包み封印を施した包金銀は、贈答の場面で使われた。紀伊和歌山藩 松坂飛地札播磨明石藩札備中足守藩札銀五百匁包お金の流れを支えた両替屋memo江戸と大坂・京の間の送金江戸と大坂・京に店を構えた両替屋は、領主が大坂で売却した年貢米などの代金を江戸に送金する一方、大坂・京から江戸に送られたさまざまな商品の代金を大坂・京に送金した。大坂の振手形大坂の町人は、両替屋への預金をもとに「振手形」を発行し、現金の代わりとして支払いに使用した。(蔵屋敷)(江戸藩邸)実際のお金の流れ相殺されるお金の流れ二分金五十両包両替屋は、大坂の蔵屋敷から江戸藩邸に送られる年貢米の売却代金と、江戸の商人から大坂・京の商人に送られるさまざまな商品の売上代金を相殺した。これにより、金貨・銀貨を運ぶ手間を省いた。包み紙には、金額とともに封をした者の署名、捺印があり、その信用によって封を切らずに授受された。

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