貨幣博物館 常設展示図録
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木簡にみる銭貨の使われ方 古代163銭をつかう奈良時代のお金と生活Money and Daily Life in the Nara Era市での買い物とくらしShopping at Marketplaces and Daily Life城京には、国家が管理する市があり、食品や工芸品などさまざまな品物を売る店が並んでいた。人々は給料として手にいれた銭貨を使って市で食品や日用品を購入した。地方によっては銭貨は使われず、米、絹や麻の布などがお金として使われた。平新銭の発行と物価平城京からは、銭貨が数多く出土している。8世紀初め、平城京の建設にあたる労働者には1日あたり和同開珎1枚(1文)が支払われた。和同開珎の発行から約半世紀後に、和同開珎の10倍の価値をもつとされる万年通宝、神功開宝が相次いで発行された。市での売買に使われた銭貨の付札平城宮跡出土(奈良県)奈良文化財研究所蔵平城京の市で品物の売買に銭貨が使われたことを示している。月ごとの借金(月借銭)の証文。奈良時代後半、下級役人たちは物価の上昇などにより生活が困窮し、役所からしばしば借金をした。借金について記された木簡平城宮跡出土(奈良県)奈良文化財研究所蔵[奈良時代に発行された銭貨]Coins Issued in the Nara Era和同開珎Wado Kaichin (Copper)708年〜万年通宝Man’nen Tsuho (Copper)760年開基勝宝(金銭)Kaiki Shoho (Gold)760年東京国立博物館蔵大平元宝(銀銭)Taihei Genpo (Silver)760年拓本神功開宝Jingu Kaiho (Copper)765年物の値段が記された木簡長屋王邸宅跡出土(奈良県)奈良文化財研究所蔵奈良時代の木簡などを通して、当時の物価の変動や銭貨が浸透していった様子がわかる。裏裏表表西 市 交 易 銭酒五斗直五十文別升一文              右銭一百四十九文十一月四日店物飯九十九笥別笥一文 直九十九文申請月借銭事      memoImage: TNM Image Archives

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