貨幣博物館 常設展示図録
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 銭幣館から貨幣博物館へ8銭幣館から貨幣博物館へFrom the Sempeikan to the Currency Museum貨幣博物館と三人の人物1923(大正12)年 「銭せん幣ぺい館かん」開館古貨幣収集・研究家となった田中啓文氏は、自邸内に収集した貨幣や関連資料を保管・展示し、研究活動を行う博物館「銭幣館」を設立しました。銭幣館コレクションは、世界有数の東洋貨幣コレクションで、古貨幣のみならず、日本の貨幣史、経済史を研究するうえで重要な文書や絵画・民俗資料などを幅広く含み、総数は10万点にも及びました。1944(昭和19)年銭幣館コレクション 日本銀行へ寄贈1945(昭和20)年第二次世界大戦終結戦禍からコレクションを守る1944年、田中啓文氏は戦禍から守るため銭幣館コレクションを日本銀行へ寄贈しました。こうした背景には、田中氏と日本銀行の結城豊太郎(第15代)、渋澤敬三(第16代)両総裁との交流がありました。将来は博物館を渋澤総裁は、民俗資料の収集・研究家でもあり、文化財の保護に理解が深い人物でした。その手記には、日本銀行に来た時から「日銀に金融図書館と貨幣博物館を併設したい」という夢があったとも書かれています。田中 啓文渋澤 敬三1882(明治15)年日本銀行 開業1923(大正12)年銭幣館 開館「永代橋際日本銀行の雪」井上安治画はじまりは一文銭田中啓文氏が子どもの頃、寛永通宝一文銭はまだ1厘として通用していました。お小遣いとしてもらった色々な古い銭を集めたのがはじまりで、小さな古銭家が誕生しました。銭幣館で貨幣を手に取る田中啓文氏銭幣館展示風景桐箱に入ったコレクション銭幣館収蔵品目録田た中なか 啓けい文ぶん Tanaka Keibun1884年7月東京・白金生まれ(本名:田中 謙)1906年古銭収集家の同人会東京古泉協会に入会1918年東洋貨幣協会(旧東京古泉協会) 理事兼幹事に就任1920年第3代東洋貨幣協会会長に就任1923年1月東洋貨幣研究所銭幣館 開館1950年7月貨幣研究雑誌『銭幣館』を創刊1956年12月逝去

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